沈みゆく日米新自由主義



◆米国大統領候補選挙では共和党のドナルド・トランプの独走状態ですが、彼の某言を問題視する声は多く、オハイオ州では攻撃する人も出て演説中止になる騒ぎがありました。

Trump Almost Attacked, Secret Service Act Swiftly to Protect Donald Trump at Dayton Ohio Rally


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◆泡沫候補であったトランプがこれほど熱狂的に支持されるのは、共和党のエスタブリッシュメントに経済的に脱落させられた白人中間層が愛想を尽かしたからです。長い間一貫して金持ち優遇政策を続けてきた共和党保守本流にブーメランが回ってきたと言っても好いでしょう。1%が99%の分を独り占めするような共和党のやり方を多くの人々が知ってしまったのです。中間層貧困の理由を知った有権者の共和党離れと、本命候補だと思われていたジェブ・ブッシュが早々とレースから撤退したのは勝ち目がないと思ったからです。ネオコン・ブッシュから3人も大統領を出したくないという民意の現れです。




共和党エスタブリッシュメントはなぜ見捨てられたのか
An Open Letter to the Republican Establishment

2016年3月11日(金)20時00分

ロバート・ライシュ(元米労働長官)
米大統領予備選で不甲斐なさを露わにした共和党の保守本流を叱る



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まさかの顔ぶれ エスタブリッシュメントが1人も残っていない共和党の大統領候補指名争い Young-REUTERS

  <共和党エスタブリッシュメント(保守本流)への公開書簡>

 君たちは、アメリカを代表する産業資本家であり、ウォール街の大立者であり、億万長者だ。何十年もの間、共和党の屋台骨を支えてきた。

 君たちは、自分の莫大な財産をGOP(共和党の愛称。Grand Old Partyの略)に注ぎ込んだ。目的は、節税と補助金。規制緩和と知的所有権の保護。市場シェアを上げて製品を値上げすること。労組を骨抜きにして移民を低賃金で働かせること。住宅購入者や学生債務者には容赦なく自己責任を追及しながらも、自分の会社が破綻したときには公的資金で助けてもらうこと。そして、自分たちのインサイダー取引を見逃してくれる裁判官を任命することだ。

 君たちはあらゆる手を尽くして途方もない富を築いた。おめでとう。
 だが今日は、君たちに残念な知らせがある。君たちはいま大きな代償を払わされている。今後、その負担はいや増すばかりだろう。

 第一に、いま君たちの会社の大半は、リーマンショックに端を発した「グレート・リセッション(大不況)」前のような急成長はしていない。売り上げも伸び悩んでいるし、株価も弱含みだ。

 それは君たちが、自分の会社で働く従業員が消費者でもあるということを忘れたせいだ。君たちが賃金カットで消費者のお金を搾り取ってしまったので、君たちが売りたい商品を買う余裕がなくなってしまったのだ。

 個人消費はアメリカ経済の70パーセントを占めている。だが、実質購買力で見ると、標準的な家計の収入は2000年より減っている。

 利益の大半は、君と君の同類の懐に入った。荒稼ぎをする一方で、そのほんの一部しか使わない君たちの下へ。これが経済、そして君たちにとって、大きな災いをもたらすことになる。

 君たちは低金利で借りた金で自社株を買い戻し、人為的に株価を吊り上げてきた。しかし、こんな無理はいつまでも通用しない。金利も上がりはじめている。

 第二に、君たちは過去30年間、法人税や所得税を大幅に下げさせ、一方でより多くの補助金と救済資金を要求してきた。そのせいで政府は借金まみれだ。

 君たちとその事業が政府に依存している多くの事、例えば幹線道路や橋、トンネルなどのインフラや質の高い基礎研究、高学歴の人材供給などは賄う余裕は政府にはない。もし現在の傾向が続けば、行政の質はさらに悪化するだろう。

最後に、君たちは経済を操作して自分だけが儲けたため、かつてない規模の政治的反感を買ってしまった。人々は今、貿易や移民、グローバリゼーションに対して反感を持ち、そして共和党エスタブリッシュメント(保守本流)に怒りを感じている。

 これまで以上に必死に働いているのに成果が得られず、深刻な経済的不安を抱える数百万人のアメリカ人たちの、抑圧された怒りとフラストレーションがついに噴出した。アメリカの政治は、不満と罵声がうずまく汚水タンクと化してしまった。

 とりわけ共和党の政治家たちは、偏見や憎悪、そしてウソの汚泥に首まで浸かっている。彼らはアメリカを、人種と民族、宗教によって分断しようとしている。民主主義と良識の範として、かつてアメリカが世界に誇った道徳的権威が危険にさらされている。それは、君たちの会社にとっても決して好ましいことではない。

 君たちが生み出す不確実性もまたしかりだ。怒りに基づく政治は、いつ何どき、どんな方向に向くかわからない。企業経営者としての君たちは本来、政治の安定性と予見可能性を何より求める立場であるにもかかわらず、だ。

 おわかりだろうか? 君たちは、自ら仕掛けた罠にはまったのだ。君たちが目先の利益を得るために共和党に注ぎ込んだ金は無駄になろうとしている。

 急成長する経済からの自分の取り分を少し減らして、中間所得層を大きく成長させていれば、君たちはいまよりもはるかに繁栄していただろう。

 君たちのお金に毒されていない政治体制――すなわち、安定して穏健で、中間所得層のニーズに応える政治体制をつくっていれば、君たちもより良い結果を得ていたはずだ。

 しかし、君たちは利己的で強欲で、目先の利益のことしか考えていなかった。

 君たちは、前世代の保守本流が持っていた価値観を忘れてしまった。前世代は、世界恐慌と第二大戦がもたらした荒廃を目撃し、戦後は輝かしい中産階級の形成を助けた。

 あの世代とて、寛容や社会的責任を理由に行動していたわけではなかったが、すそ野の広い繁栄こそが、彼ら自身の事業にとっても長期的に良い結果をもたらすことを正しく理解していた。

 さて、君たちはどうする。政治家と取引するための資金を引き揚げ、アメリカの民主主義を回復し、所得や富、政治力で広がる格差の是正することで、現在の混乱を収拾する気になってくれただろうか?
 
 それとも、まだ納得してもらえないだろうか?

*筆者は、カリフォルニア大学バークレー校公共政策大学院教授。ビル・クリントン政権で労働長官を務めた
Robert Reich is the Chancellor's Professor of Public Policy at the University of California at Berkeley. He served as Secretary of Labor in the Clinton administration
This article first appeared on RobertReich.org.

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/03/post-4670_1.php




◆2015年初めには、米国のいわゆる中間層に当たる成人数は1億2080万人だったそうですが、その中間層が今では家賃の支払い光熱費、医療費の支払いにも事欠いているようです。ロバート・ライシュ氏の共和党批判は、そっくりそのまま日本の自民党の政治手法に当てはまります。

◆小泉竹中政権での金融政策や郵政改革、労働政策で郵政システムと経済はガタガタになり、企業利益を最優先して正社員を切り、派遣社員を増やしたことで所得格差が生まれ、中間層がごっそり脱落してしまったのです。小泉政権の金融財政のシステムはそのまま安倍政権にも踏襲されて、アベノミクスが登場したのです。

◆アベノミクスは米国共和党の政策のコピーです。米国と同じように金融緩和によるインフレ政策を取り続けてきたために日本の中間層が没落し、格差が広がっているのです。
アベノミクスでは企業税を軽くするので、その利益分を社員の給料に上乗せすると言うものですが、そんなことを言っても企業は内部留保を大きくするだけで社員に還元すると言っても僅か千円とか1500円です。

◆富裕層の税金を安くすれば、それが消費を拡大に繋がり下層にまでトリクルダウンしてくると言う理屈を言う経済学者がいますが、本家米国でもそんな現象は起きていません。
一部の富裕層の富がさらに膨らみ、インフレで一般庶民の暮らしが厳しくなる現象は日米で同時進行しています。近頃下流老人という嫌な言葉が流行っていますが、今自分とは関係ないと思ってる人もいるでしょうが、人生一寸先は闇です、明日は我が身です。




高齢者の9割が貧困化 「下流老人」に陥る5つのパターン


高齢者の貧困が問題になっている。内閣府調査の<世帯の高齢期への経済的備え>で、60~64歳で貯蓄が「十分だと思う」と答えた人は3.6%。「かなり足りないと思う」と答えた人はその10倍、35.5%だった。

「老後の貧困は、ひとごとではないのです」

 そう警鐘を鳴らすのは、生活困窮者支援のNPO法人「ほっとプラス」の代表理事で社会福祉士の藤田孝典さんだ。6月半ばに出版した新刊『下流老人』(朝日新書)で、「このままだと高齢者の9割が貧困化し、貧困に苦しむ若者も増える」と書く。

 藤田さんは貧困高齢者を下流老人と名付けた。普通に暮らすことができず下流の生活を強いられる老人という意味で、日本社会の実情を伝える造語だという。

「年収が400万円の人でも、将来、生活保護レベルの生活になる恐れがあります」(藤田さん)

 実際に生活保護を受給する高齢者は増加中で、今年3月時点で65歳以上の78万6634世帯(受給世帯の約48%)が生活保護を受けている。昔なら子ども夫婦に扶助してもらうことが当たり前だったが、今は核家族が多い。頼りの子どもは派遣切りやニート。高齢で大病して貯蓄も尽きたら……。

 藤田さんは、『下流老人』の中で高齢者が貧困に陥るパターンを五つに大別した。

【1】本人の病気や事故により高額な医療費がかかる

【2】高齢者介護施設に入居できない

【3】子どもがワーキングプアや引きこもりで親に寄りかかる

【4】熟年離婚

【5】認知症でも周りに頼れる家族がいない

 本人の病気と家族の介護をダブルで抱える人もいれば、60歳を過ぎて妻と別れ、途方にくれる男性もいる。

「1部上場企業で働いてきた男性が、離婚してから食事や趣味にかけるお金を節約できず貧困になる人もいます」(同)

 こんな例もある。藤田さんが警察で保護した60代の男性は、不動産会社社長で、バブル期は資産が2億円あった。だが土地が転売できず破綻。それでも社長っ気が抜けなかったらしい。

「6年前に彼がお弁当とお茶をスーパーで盗んで捕まったとき、所持金が100円なのに、スーツを着込んでいました」(同)

 この元不動産会社社長は「食いっぱぐれるはずがない」「老後の心配無用」と年金も払っていなかったという。

 80歳の老母と45歳の息子のこんな生活苦もある。福祉施設に勤める息子の給与は手取り23万円。亡き夫の会社が傾いたときに息子が借金を被り、返済が毎月数万円ある。築40年の賃貸マンションの家賃を息子が払い、母親が光熱費と食費を払う。母親は病院通いをしながら、息子の大学時代の奨学金も年金から返し続ける。

「奨学金は息子名義だが、何年か払えない時期があり、親の私に支払い通知が来た。額は多くはないが息子からも頼むと言われて、この先十何年は私が払わないと」

 母は息子がいないと年金だけでは住めず、その息子が母に寄りかかる。

 関西で生活困窮者の支援をする生田武志さんは、貧困から人が落ちていく様子を、「カフカの階段」として図式化した。

 労働、家族、住居を失い、金銭を失い、ついには野宿という究極の貧困状態に。生田さんによれば、落ちるときは一段、一段落ちるが、最下段まで落ちると、簡単には上に上がれない。住所がないとハローワークで職も得にくく、生活保護を受けるのに時間がかかることも。

「生活保護の申請をしなかったり、申請しても追い返されて野宿になる高齢の方にもたびたび出会います」(生田さん)

※週刊朝日 2015年7月3日号より抜粋

http://dot.asahi.com/wa/2015062400089.html?page=1



◆竹中平蔵は雇用法を改悪して格差を作り、人材派遣会社パソナの会長に納まり、今なお安倍政権内で政策提言を続けています。竹中は労働力として数10万人単位の移民をいれ、パソナが派遣の利権を一手に握ろうと画策しています。パソナの南部代表は「皆をフリーターにしてオーデション型雇用で、必要な時に必要なだけの人材が確保できるようにして、派遣業を日本の基幹産業にする」と言い、竹中は「世界で一番パソナが活躍しやすい国に派遣法を改正して、若者は貧しさをエンジョイしたらいい」などと嘯いています。

◆安倍氏が言う1億総活躍社会や女性が輝く社会とは高齢者と女性をパソナ経由でブラック企業にブチ込み、奴隷賃金で長時間重労働させようとする竹中の計略です。しかし同じ働かせるなら日本人より低賃金で使える移民の方が好いと考えてtるのでしょう。

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こういう連中を重用すれば安倍政権は米国の共和党と同じ岐路に立つことになります。アベノミクスもほころびが見えてきましたし、来る参院戦もどうなるか解りませんな。

◆米国でのトランプ人気は彼が不動産業で大成功したことにあるでしょう。実業家の彼が大統領になれば米国の景気を立て直してくれるかも知れないという中間層の期待があるからだと思われますが、いずれにせよ世界同時不況は避けられず、資本主義は一旦崩壊することになるのは間違いないでしょう。


▼次は、NESARAを待つばかりだニャ!

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