小田原評定の悲劇



◆相模国小田原城に本拠を構える戦国大名北条氏は、一介の浪人であった伊勢盛時(北条早雲)の代から氏綱、氏康、綱成、氏政、氏直と六代も続いた名門でした。北条家の政治は家臣の評定衆による合議制がとられ、これが「小田原評定」として知られています。日本で好まれるのが「三人寄れば文殊の知恵」とか「万機公論に決すべし」などの言葉です。物事は全て話し合いで決めるのが事を丸く収め、無難であると言うことでしょうが、時代が激変する時にはこれが命取りになります。

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◆豊臣秀吉勢が押し寄せていると言うのに北条家の評定衆は迎撃か籠城かの評定(会議)が延々と続き、遂に北条家は滅されてします。何時までも結論が出ない詰らない会議を「小田原評定」と言いますが、その小田原評定が今典型的な悲劇としてメディアに曝されています。

◆経営再建中のシャープは台湾の電子機器大手、鴻海(ホンハイ)精密工業から3888億円の出資を受け入れ、鴻海の子会社になることを決定したそうです。
この買収交渉が始まった時、鴻海はシャープの社員のリストラはしないと確約していたのですが、やはりそれは嘘でした。




シャープ:次期社長「リストラ7000人の可能性」

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ホンハイの戴正呉副総裁

 【新北(台湾北部)土屋渓】台湾の電子機器受託製造大手、鴻海(ホンハイ)精密工業の戴正呉副総裁は22日、買収完了後のシャープのリストラ規模について「世界で7000人に上る可能性がある」と述べた。鴻海首脳がリストラ規模について公式に発言するのは初めて。

シャープ社長に就任予定の戴氏は「(再建には)信賞必罰が必要」と述べ、人事制度改革に着手する考えを示した。

 22日の株主総会後、記者団の質問に答えた。

 戴氏は「(シャープの液晶や太陽電池の)赤字のほとんどは中国の事業が原因」と述べ、中国事業を中心に人員整理を進める考えを示した。

 郭台銘会長もこの日の株主総会で「チームワークよりも個人の能力を評価する態勢に変える。買収後、すぐに改善策に着手し、改善を成し遂げるまでは辞めない」と述べた。

 鴻海は今月末にも3888億円を払い込んで、シャープ株の66%を取得し、戴氏ら複数の人材を経営陣に送り込む。株主総会後の記者会見で郭会長は「遅くとも6年後、早ければ3年後には社長を含めた経営陣は日本人にすべて任せたい」と述べた。


http://www.msn.com/ja-jp/news/money/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%97%E6%AC%A1%E6%9C%9F%E7%A4%BE%E9%95%B7%E3%80%8C%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%EF%BC%97%EF%BC%90%EF%BC%90%EF%BC%90%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%8F%AF%E8%83%BD%E6%80%A7%E3%80%8D/ar-AAhsGAS?ocid=iehp




◆鴻海にシャープの身売りを持ちかけたのが孫正義だったそうですが、今後も日本の名門企業がこういう連中によって売り買いされるリスクが高くなって行くのでしょうか。




孫社長「橋渡しした」=鴻海のシャープ出資

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ソフトバンクグループの孫正義社長は22日の株主総会で、鴻海(ホンハイ)精密工業のシャープ出資に関し、「友人である鴻海の郭台銘董事長(会長)からシャープを買いたいとの相談があり、銀行などに橋渡しした」と明かした

株主からソフトバンクがシャープ再建を支援しなかった理由を質問され、答えた。
孫社長はシャープに関し「ハードウエアを生産する会社で、(ソフトバンクの)本業からは遠い」と説明。

鴻海傘下入りについて「良かったのではないか」と語った。 

http://www.msn.com/ja-jp/news/money/%E5%AD%AB%E7%A4%BE%E9%95%B7%E3%80%8C%E6%A9%8B%E6%B8%A1%E3%81%97%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%8D%EF%BC%9D%E9%B4%BB%E6%B5%B7%E3%81%AE%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%97%E5%87%BA%E8%B3%87/ar-AAhrc3d?ocid=iehp




◆シャープの身売りについて報告する株主総会では、経営陣が小田原評定ばかりやっていて、世の中のスピードに追いつけなかった事が問題になったようです。




【シャープ株主総会(3)】「こんなザマになったのはあなたたちのせいだ!」 株主発言に拍手起こる


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シャープの高橋興三社長は続いて議案の決議に入り、各議案の内容を説明。 《議案には、(台湾の)鴻海(ホンハイ)精密工業を引受先として第三者割当増資を実施することのほか、鴻海ナンバー2の戴正呉副総裁のシャープ社長就任をはじめとする計10人の取締役の選任、本社の堺市への移転などが盛り込まれた。いずれも、100年を超える歴史をもつシャープにとって、大きな転換点を意味する議案となった》

 その後、会場での株主からの質疑応答に先立ち、総会前にあらかじめ受け付けた主な質問に、主力取引銀行の三菱東京UFJ銀行出身の橋本仁宏取締役が回答。提携先として、産業革新機構ではなく鴻海に決めた理由については「提携による相乗効果では鴻海がベストと判断した」と説明。

 新たに導入する、優秀な社員に「ストックオプション(株式購入権)」を与える制度については「社員一人ひとりが力を発揮することが大事」と意義を述べた。

 続いて、会場の株主から質問を受け付ける質疑応答に入った。

 男性株主「昔シャープで働いていた者です。従業員を何千人も首にしておきながら、どうして役員は日本電産などに再就職をしているのか。(外資に買収されるというような)こんなザマになったのはあなたたちのせいだよ」

 会場から拍手が起こる。男性株主が続ける。

 男性株主「シャープ社員だったら誰でも知っていると思うんですが、シャープには経営に必要なものとして信用、人材、資本、奉仕、取引先を大事にする『5つの蓄積』というのがあるんですが、これは一体どうなっているんですか」

 疲れた表情ながらも、高橋社長は真摯に株主からの質問に耳を傾けている。役員らがひとつずつ質問に回答していく。

 高橋社長「就職、職業の自由が認められているので、それを止めることができません。ただし、会社で得た知識や技術は転職した先で使わないという制約はある。行くなということはできないので各自の判断になります」

 人員削減により辞めていった従業員に対して、役員ばかりが国内他社の役員などとして再就職していることへの株主の不満に高橋社長は淡々と答えた。代わって、橋本取締役が回答した。

 橋本取締役「人員削減は、出資を受ける、受けないに関わらず、効率化を進めなければいけません。今後もグローバルベースの人員転換をする必要があるが、現時点ではまだ決まっていません」

 さらに高橋社長が続ける。

 高橋社長「『5つの蓄積』というのはもちろん知っています。この3年間、私たちは努力をしてきましたが、決して完璧ではありませんでした。経営のスピードが世の中のスピードについていけなかったことを改めておわびします」

 高橋社長は改めて謝罪の言葉を述べた。

http://www.msn.com/ja-jp/news/money/%E3%80%90%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%97%E6%A0%AA%E4%B8%BB%E7%B7%8F%E4%BC%9A%EF%BC%88%EF%BC%93%EF%BC%89%E3%80%91%E3%80%8C%E3%81%93%E3%82%93%E3%81%AA%E3%82%B6%E3%83%9E%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AE%E3%81%9B%E3%81%84%E3%81%A0%EF%BC%81%E3%80%8D-%E6%A0%AA%E4%B8%BB%E7%99%BA%E8%A8%80%E3%81%AB%E6%8B%8D%E6%89%8B%E8%B5%B7%E3%81%93%E3%82%8B/ar-AAhugf4?ocid=iehp#page=2




◆日本の大企業では、ほとんどが雇われ社長であり、経営は役員の合議制ですから、根回しだのホウレンソウ(報告、連絡、相談)などいろいろな手続きが必要となります。しかし、鴻海の郭台銘会長のようなワンマン経営者は独断で即断即決ができますので決定のスピードが各段に違います。日本型経営が彼らに太刀打ちできないのは、これが大きな理由です。

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◆シャープが、鴻海案に傾いたのは、郭台銘会長が最初に7000億円を出資すると言ったからです。しかし日本の官民ファンド産業革新機構は、シャープに3000億円の出資を計画していたそうですがそれに比べると、鴻海の出資は2倍以上の規模となります。

◆外資に頼らず国内で再建するには産業革新機構とシャープの主力銀行、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行の主要取引2行が持つ2000億円の優先株を放棄し、3000億円の出資を受けられるなら再建は可能だったそうですが、これに対し、鴻海案では、銀行への金融支援の要請はなく、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行が持っているシャープの優先株も買い取るという条件が出されたと言うのです。つまり鴻海が最初に提示した7000億円の中には2行の優先株買い取り代金が含まれていたと言うことです。産業革新機構や銀行側は、痛みを伴わずに、シャープと縁を切れるので鴻海案を支持したのです。

◆鴻海にシャープの買収を持ちかけ、更に銀行に知恵を授けたのが孫正義です。
孫正義がロックフェラーのハゲタカファンド、リップルウッドのティモシー・コリンズと組んで、破綻した旧長銀=新生銀行を乗っ取ったのを昨日のことのように覚えています。彼は日本の有名大企業をM&AやTOBの裏技を使って次々に外資に売り飛ばそうとしています。在日コリアン孫正義のリベンジはこれからも続くと言うことでしょう。

◆企業も役所もレジュメばかり作って、長々と小田原評定を続けていると、こういう連中の餌食になります。

▼シャープは本社を大阪から堺工場へ移転するそうだにゃあ~

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上田正樹 悲しい色やね ~OSAKA BAY BLUES.MP4

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