二島返還は期待薄


◆15日にはロシアのプーチン大統領が来日、安倍首相の地元山口県長門市の大谷山荘で温泉につかりながらゆっくり北方領土問題とロシアへの産業振興支援の話をするそうですが、日本の財界やメディアは冷ややかに見ているようです。

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◆11月20日にペルーで安倍、プーチン会談が行われ、プーチン大統領が北方領土での「共同経済活動」の話を持ちかけたところ、安倍首相は返答しなかったと報じられていました。北方領土にこのまま日本が共同経済活動に参画すれば、ロシアの領有権を認めることになります。領土返還なしに経済支援だけさせられる。巷ではロシアに食い逃げされるだけだという声が挙がっていますがロシアのベテラン記者が、それを裏付けるような発言をしています。




プーチン大統領来日もありえない「北方2島返還」…ロシアが求める見返りは「日米安保の破棄」?

12月15日、安倍晋三首相は地元山口県でロシア・プーチン大統領との首脳会談を予定している。

日本は経済協力の見返りとして、歯舞・色丹の北方2島の“先行返還”を求めると見られているが、ロシア国内で高い支持率を保つプーチン大統領が首を縦に振る可能性はあるのか?

「週プレ外国人記者クラブ」第57回は、ロシア「イタル‐タス通信」東京支局長、ワシリー・ゴロヴニン氏に話を聞いた――。

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─今回のプーチン大統領の訪日は「日本が駐留費用を全額負担しなければ米軍を撤退させる」と語るトランプ氏がアメリカの次期大統領に決まり、東アジアにおける軍事的パワーバランスが大きく変わる可能性が浮上しているタイミングでもあります。まず、トランプ氏の米大統領選勝利がロシアでどのように報じられたかを教えてください。

ゴロヴニン 米大統領選を通じて、ロシア側の見方はヒラリー・クリントン候補に対して批判的でした。その理由は、選挙期間中の演説などで「ウクライナ問題」をたびたび取り上げ、ロシアへの批判を自分のポイント稼ぎの材料として利用したことにあります。

孤立主義的な政策を掲げたトランプ氏が勝利したことでわかるように、米国の有権者の関心は“内向き”で、国際情勢・外交面でのテーマは大統領選における大きな争点にはならなかった。そもそも、アメリカ人の大多数はクリミア半島の歴史的背景どころか、地図上でどこに位置するかも理解していないでしょうし、ロシアとウクライナの区別がつかない人も多いことでしょう。もっとも、ロシア人も「ミズーリ州はどこにあるか?」答えられる人は少ないのですが(笑)。

とにかく、クリントン候補はロシアを批判し続けました。そのことに対してロシアのメディアや世論は懐疑の姿勢を示し、時には怒りを隠さなかったのです。


─そういったクリントン候補の姿勢は、同じ民主党のオバマ現大統領の外交政策を継承したものでしたね。

ゴロヴニン オバマ現大統領はウクライナ問題に対しても、IS(イスラム国)を標的としたシリアへの空爆に対しても、口先では厳しい言葉を使ってロシアを非難しながら、実際に行動で力を示すことは何もできなかった。結果的にその姿勢が米国の国力の低下を世界に示すことになったのです。

一方のトランプ氏は、プーチン大統領のリーダーシップを高く評価する姿勢を示してきましたから、彼の勝利は「親ロシア政権の誕生」としてロシアではお祭り気分になるほど、好意的に報道されました。ただし、大統領選の勝利から約1ヵ月が経過し、就任後の組閣人事が漏れ伝わってくるようになり、ロシアでも「トランプ政権の誕生を歓迎してばかりはいられない」という空気が広がり始めています。


─強烈なキャラクターを持つトランプ氏個人に注目が集まりがちですが、彼もネオコンの意見に後押しされイラク戦争に踏み切ったブッシュ前大統領と同じ共和党の人間です。

ゴロヴニン その通り。まず、共和党の重鎮であるミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事に国務長官就任を打診しているという情報があります。ロムニー氏は大統領選の期間中に同じ共和党でありながら「トランプ不支持」を表明した人物ですから、もし実現すれば“サプライズ人事”ですが、次期大統領として上下両院で過半数を占める共和党との関係は重視せざるを得ない。現実的には十分にあり得る人事だと思います。そして、このロムニー氏は共和党内でもタカ派として知られる人物です。

また、国防長官にはジェームズ・マティス元中央軍司令官が就任するとも言われています。このマティス氏、いや、マティス将軍も非常に攻撃的な人物。アフガニスタンやイラクでの戦闘を指揮し、2005年には「敵を撃つのは楽しくてしょうがない」と発言したこともあります。

ロシアは、トランプ次期大統領が言う「強い米国を取り戻す」という政策ポリシーの“強さ”がどのような形で表現されるか注視しています。国家が“強さ”をアピールするとすれば、経済力か軍事力ということになりますが、米国が今後、経済面で強さを示すことは難しいでしょう。実際にトランプ氏はすでに「米陸軍の増強」「核兵器のリニューアル」を表明しています。

ロシアにとっては日本よりもアメリカとの関係が最重要事項ですが、現時点ではトランプ氏の大統領就任によって露米関係がどうなるかは「不透明」としか言えませんね。

─そんなタイミングで安倍首相はプーチン大統領と首脳会談を行ない、北方2島の返還を要求すると見られていますが、真意はどこにあると思いますか?

ゴロヴニン まず、はじめにハッキリ言っておきましょう。「北方2島の返還」という日本側の要求が実現する可能性については100%あり得ません。それと、細かなことですが、この問題に関してロシア側では「返還」という言葉は使いません。「引き渡し」です(笑)。

先ほど、ロシア人の大多数はミズーリ州の位置を知らないと言いましたが、南クリル(日本側が言う「北方領土」)に対する日本側の要求については全員が知っていると言ってもいい。それほどロシアでは関心が高く、南クリルの領有は“強いロシア”の象徴と考えられているのです。その領土を、たとえ日本側からの経済協力がどれほどオイシイものであったとしても、“強いロシア”を体現するプーチン大統領が手放すことは、どう考えてもあり得ません。


─安倍政権が「ほとんどムリ」「ハッキリ言ってムダ」なことに大きな政治的パワーを傾けているという点では、TPP批准に向けた強行採決と共通点を感じます。TPPに関しては、トランプ氏が「大統領就任と同時に離脱する」と明言しています。それなのに、米国が主導してきた批准を日本が急ぐ理由は、「ムダでもいいから米国に尻尾を振っておきたい」というところにあるのではないでしょうか? ロシアへの経済協力に関しては米国の反発が生じると言われていますが、北方2島の返還が万が一にも実現すれば、米国にとっては対ロシアの安全保障面で大きなメリットとなるでしょう。

ゴロヴニン なるほど。実際にロシアでも、南クリルの“引き渡し”に最も強硬に反対しているのは軍部です。ロシア人はオホーツク海を「自分たちの湖」と考えています。そして、あの海域には有事の際には米国を攻撃できる核ミサイルを積んだ原子力潜水艦が展開している。ロシアにとってオホーツク海は、巨大な核ミサイル発射台でもあるのです。しかし、もし南クリルを日本に引き渡してしまえば、その状況に亀裂が入ることになります。

─こういった対米追従の姿勢は、米国の国力低下が明白になった現在、日本の外交面で大きな危険を孕(はら)むものではないでしょうか。

ゴロヴニン いや、私はむしろ、日本の対米追従姿勢は「現実的な選択」だと思います。なぜならば、東アジアを見渡して「日本のトモダチ」と呼べる国はどこにも存在しないからです。日本のトモダチは米国だけ。そこを生命線とするのは、少なくとも現時点では現実的な外交姿勢でしょう。

ただし、今後は日本も大きな選択を迫られるはずです。トランプ次期大統領は米軍の日本からの撤退だけでなく、NATO(北大西洋条約機構)からの脱退もチラつかせています。また、単なる自由貿易経済圏の構想を超えて米国を軸とした安全保障体制の側面を備えるTPPから米国が離脱するという事態も世界のパワーバランスに大きな変化をもたらします。

そういった未来において日本に迫られる「大きな選択」とは、米国の核の傘に留まるか、あるいはそこから外れ、核兵器の保持も含めた本当の意味での再軍備でしょう。


―最後にもう一度尋ねますが、北方2島の返還はあり得ない?

ゴロヴニン 経済協力程度では、2島返還への見返りとしてまったく妥当ではありません。ロシアにとって、それに釣り合うものを挙げるとすれば、「日米安保条約の破棄」くらいしか考えられませんね。

●ワシリー・ゴロヴニン
イタル―タス通信東京支局長。着任は旧ソ連時代末期の1991年。以来、約四半世紀にわたって日本の政治・経済・文化をウォッチし続けている

(取材・文/田中茂朗)

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161201-00076050-playboyz-pol




◆これは5年前の記事ですが、プーチンはこの頃からEUの盟主になろうと考えていたようです。

ロシアナウ(日本語版)転載




プーチン首相は自前のEUを建設する

プーチン演説

2011年11月10日 キリル・トカレフ

プーチン首相は、選挙キャンペーンの過程で取り組む、あるいは次期大統領としての任期のうちに取り組もうとする基本課題を表明した。同首相は関税同盟をベースにして、現代世界の極の一つになり、ヨーロッパと躍動的な国家連動となる、ユーラシア連合・統一経済圏の創設と発展にも取り組んでいく。プーチン首相のプランは、もしそれが実現すれば、国内外の勢力バランスを大きく変えることになる。


プーチン首相は、10月3日付イズベスチヤ紙に寄稿した論文で初めて、ユーラシア連合の創設と真剣に取り組む考えを発表した。この論文を書く直接の契機になったのは、2012年1月の、ロシア、ベラルーシ、カザフスタン3カ国による統一経済圏の発足だとプーチン首相は語る。

この日は、これに参加する3カ国だけでなく「旧ソ連圏のすべての国々にとっても」「歴史的な道標」になると同首相は確信する。プーチン首相の考えでは、新しい連合は、その影響力においてEU(欧州連合)に劣らない勢力になる必要があり、もう一つの「現代世界の極」にならねばならない。ユーラシア連合とソ連とは、明らかに類似性があるが、これはソ連の復活ではない。「すでに過去になったものを修復したりコピーするのは無邪気に過ぎるが、新しい価値、政治、経済を基盤とする緊密な統合は時代の要請だ」。この統合は、決して一元化ではなく、中央への地方の過酷な隷属を意味するのでもない。

逆にユーラシア連合加盟国の間で「管轄権の真の競争」が始まり、その枠内で加盟諸国の政権が、有望な事業家たちを育てるために戦い、そうした事業家が働く最高の条件を作り上げていくだろうと、プーチン首相は書いている。だが連合加盟国にとって、その「競争」と統合がなぜ必要なのか、今はわからない、と政治学者ザツェピロフ氏は言う。

プーチン首相の構想が真剣であることは、誰の目にも明らかだ。ロシアの著名な政治学者パブロフスキー氏は、ユーラシア連合はプーチン首相の大規模かつ野心的な選挙プログラムの基本だと考える。ペスコフ首相報道官もパブロフスキー氏の言葉を裏づけるものだ。ペスコフ報道官はコメルサント紙のインタビューで、統一に向けたプロセスの実証的な動きと、プーチン首相が首相であったこの4年間に行われた莫大な作業量を考慮すれば、ユーラシア連合の創設は、プーチン氏が今後6年間にもっとも優先的に行う仕事の一つになるだろう、と述べた。

すでに長く機能している同盟をベースとして、原則的に新しい、経済的方向性をもつ連合を創設する構想がクレムリンに現れたのは、もう大分前のことだ。プーチン首相の要請により、関税同盟の改革が少し前から始まったが、多くの専門家の意見によれば、この関税同盟はまだ紙の上でしか機能していない。旧ソ連共和国の統合が必ずしも成功していないという例は、決してこれだけではない。たとえば、ロシアとベラルーシは、統一した通貨と国家組織を持つ連合国家の設立に関して、もう20年以上協議している。

その間に両国は非難の応酬をくりかえし、4度にわたる通商紛争を行った。ガスをめぐる紛争が2度あり、石油と牛乳をめぐる紛争も各1度あった。ユーラシア連合が「ヨーロッパと躍動的なアジア太平洋地域をつなぐ効果的な靭帯(じんたい)」の役割を順調に果たすためには、当然、ロシア製ガスのヨーロッパへの中継を管理下におくウクライナを連合に引き入れねばならない

。しかしウクライナは、関税同盟への加盟よりも、EUとの間に自由貿易地帯を作る方をより願っている。ヨーロッパとヤヌコビッチ政権の間に認められた冷え込みにより、ユーラシア連合への態度の変化が可能になると、政治学者ポリャンニコフ氏は確信する。「旧世界」の役人らがチモシェンコ氏不法迫害に関してウクライナを非難し続ければ、きっとプーチン氏への支援要請があるだろうと、同氏は考えている。

ヨーロッパ連合には決定採択の統一センターがあるべきであり、クレムリンがその役割を自認しているという事実も、新しい連合形成の運命にいくぶん疑問を投げかける。

プーチン首相のねらいが単なる選挙キャンペーンのレトリックではなく、長期戦略である場合は、外交だけでなく国内政治のバランスにも、大きな変化が生じるかもしれない。実際、ユーラシア連合の創設となれば、それは大統領が国際政治にかかりきりになることにほかならず、国内の事業はすべて新首相の双肩にかかってくる。その首相になるのは間違いなくメドベージェフ氏だろう。

それによってメドベージェフ氏は、以前に考えていた、ロシアの経済と政治制度のリベラル化・近代化路線を継続することが可能になると、パブロフスキー氏は確信している。

https://jp.rbth.com/articles/2011/11/10/13506




◆古歩道・朝堂院対談でもロシアナウと同じことを言っています

【NET TV ニュース.報道】Good Morning プーチン 2016/12/04



◆トランプとプーチンはウマが合うようで米露が友好条約でも結べば、中国の習近平も一帯一路構想や、南シナ海や東シナ海の軍事要塞化で、大中華帝国の建設などというとんでもない野望を捨てざるを得なくなるでしょう。むしろ米露中が友好条約を結べば世界は安定するのではないでしょうか。米ソ冷戦時代は世界は東西に二分化されていましたが、ソ連崩壊後は米一国に覇権が集中して戦争屋が中東を滅茶苦茶にして、無数の難民がヨーロッパへ押し寄せ、世界中にテロが横行し世界の安定は根本から損なわれました。

◆柱は1本では立たず、2本でも立ちません。3本が支え合い鼎となれば倒れることはなく、世界は安定するのではないでしょうか。

鼎

▼やはり、北方領土は永久に戻らないのかニャア~

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