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北方領土がまた遠のいた



◆フォーブスがまとめた今年の「世界で最も影響力のある人物」ランキングでは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が4年連続で首位に立つっています。本国ロシアは勿論のことシリアの反政府軍空爆、アレッポのISIS殲滅、さらに米大統領選まで、左右するほど影響力を増大させています。因みに、フォーブスのランク付けで安倍首相は37位になっていますが、プーチン大統領との日露トップ会談では残念ながら、横綱と十両位の力の差を見せつけられました。

キャプチャ

※フォーブス・ランキング一覧

http://forbesjapan.com/articles/detail/14596/2/1/1


◆プーチンは柔道や武道をこよなく愛する力の信奉者であり「領土とは血で奪い、血で守るものだと考えているそうで、中国との間で40年かけて領土を画定したのも、血で血を洗う国境紛争の末のことだ」と指摘しています。
それだけに、今度のトップ会談では北方領土という言葉は全く使われなかったようで、「北方領土は日本固有の領土だと?敗戦国が何を言うか!!!!」と云う態度でした。




【日露首脳会談】プーチン氏の「国家観」前面に 「戦勝」で国民統合、独立運動を警戒

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日露首脳会談でプーチン露大統領は、北方領土の領有権が「第二次大戦の結果」としてロシアにあるとの立場を崩さなかった。第二次大戦での「戦勝」を国民統合のよりどころにする、プーチン氏の統治手法が色濃く反映されている。プーチン氏は、ソ連崩壊後の混乱と危機から自らがロシアを救ったと強く自負しており、“手綱”を緩めればロシアが分解しかねないとの国家観を持っている。(遠藤良介)

 旧ソ連国家保安委員会(KGB)の諜報員だった1989年、プーチン氏は「ベルリンの壁」崩壊を目の当たりにし、旧東側陣営が解体していく悲哀を味わった。プーチン氏は一度ならず、「ソ連崩壊は20世紀最大の地政学的悲劇だった」と述べている。

 2000年に大統領に就任すると、第2次チェチェン紛争を指導し、南部チェチェン共和国の独立運動を押さえ込む。同時に「垂直の権力」と呼ばれる中央集権体制を築き、1990年代に大混乱と困窮にあえいだ国民の支持を得た。プーチン氏は、大統領に就いた頃のロシアが「分裂の危機にあった」と語っている。

 そのプーチン氏が、共産主義イデオロギーの消失した広大な多民族国家で、国民統合のよりどころとしたのが「戦勝」だった。2700万人ともされる犠牲者を出したナチス・ドイツとの総力戦を経て、ソ連が超大国にして国連安全保障理事会の常任理事国となったからにほかならない。

 2008年から、ロシアでは5月9日の対独戦勝記念日に大規模な軍事パレードが行われている。12年発足の第3次プーチン政権は歴史教科書の統一作業に本腰を入れており、スターリンによる大粛清など、ソ連史の暗部を矮(わい)小(しょう)化していることが批判されてもいる。

 「わが国は日本が粉砕され、(日露戦争敗北という)汚点が一掃されることを信じ、待っていた…南サハリンとクリール諸島(千島列島と北方領土)はソ連のものになる。これらの領土はソ連と海洋を直結させ、日本の侵略からわが国を防衛する手段となる」

 スターリンは1945年9月2日、国民向けのこんな「対日戦勝メッセージ」を出した。プーチン氏もこうした歴史認識を基本的に踏襲しているとみられる。

 プーチン氏は今月、ロシア外交の指針となる文書「対外政策の概念」の改訂版に署名。グローバルな問題解決や世界秩序の形成に関する章では、従来の「国連憲章」に加え、「第二次大戦の結果」を重視することがうたわれた。露観測筋は「プーチン氏には、領土問題で日本に『譲歩』すれば、他国からの領土要求や独立運動のドミノが起きかねないとの警戒心が強い」とみている。

http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%80%90%E6%97%A5%E9%9C%B2%E9%A6%96%E8%84%B3%E4%BC%9A%E8%AB%87%E3%80%91%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3%E6%B0%8F%E3%81%AE%E3%80%8C%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E8%A6%B3%E3%80%8D%E5%89%8D%E9%9D%A2%E3%81%AB-%E3%80%8C%E6%88%A6%E5%8B%9D%E3%80%8D%E3%81%A7%E5%9B%BD%E6%B0%91%E7%B5%B1%E5%90%88%E3%80%81%E7%8B%AC%E7%AB%8B%E9%81%8B%E5%8B%95%E3%82%92%E8%AD%A6%E6%88%92/ar-AAlDCse?ocid=iehp




◆広大な国土を持つロシアが小さな4つの島に拘泥するのは、軍事的に、地政学的に重要だからです。
只、北海道にくっついっているような歯舞、色丹はどう見ても日本の領海でありロシアが領有権を主張するのは無理があります。朝堂院大覚氏とベンジャミン・フルフォード対談で、プーチン批判も飛び出しています。

山口県で安倍総理大臣とプーチン大統領の会談  北方領土問題にについて総裁から一言【NET TV ニュース.報道】
Good Morning Putin 




◆ベンさんは来年トランプが大統領に就任すれば、プーチンの出方も変わるのではないかと云っていますが、ロスチャイルド一族が始末されない限り、世界が大きく変わることはないような気がします。日露関係の阻害要因はもう一つあったようです。





日露接近を阻んだのはプーチン嫌いで知られるあの男だった! 15年間の断絶で「割り箸の上の関係」に…

15日午後4時50分、露大統領、ウラジーミル・プーチンを乗せた露大統領特別機が山口宇部空港に到着した。第2次安倍政権発足後、何度も浮上しては消えたプーチン来日はようやく実現した。その最大の壁は米国だった。

 「決めるのは日本だが、ロシアとの交渉は正しい選択だとは思えない」

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 米大統領、バラク・オバマは、首相、安倍晋三と会談する度に懸念と不信を露わにした。安倍は常に「これは日露間の問題だ。どうしてもやらなければならない」と反論したが、米側は日本側にさまざまな形で圧力をかけ続けた。

 5月にオバマが米大統領として初めて被爆地・広島の平和記念公園を訪れ、両首脳は日米同盟の絆を改めて確認したが、その後も米政府側は「日米間の懸念材料はロシアだ」と繰り返した。

 オバマとプーチンの仲は険悪と言ってよい。オバマは国際会議で「ウクライナに武器を貸与しようと思う」と述べ、各国首脳をあきれさせたこともある。同盟国・日本が対露包囲網から外れることは何としても阻止したいのだろう。

× × ×

 だが、2014年のウクライナ危機に端を発する欧米とロシアの対立は逆に日露の関係を深めた。
 まもなく首相在任5年となる安倍は積極的な首脳外交も奏功し、国際社会でそれなりの存在感がある。プーチンにとって、安倍と信頼関係を築くことは「ロシアは孤立していない」と世界に発信することになる。

 日本にとっても、軍事的拡大を続ける中国を牽制する上で、ロシアとの関係強化は欠かせない。安倍-プーチンの信頼関係はそんな打算の上に成立している面は否定できない。

 ところが、11月の米大統領選でドナルド・トランプが勝利

したことは大きな不確定要素となった。トランプはオバマ政権の外交・内政ともに真っ向から否定しており、ロシアとの関係改善に動く可能性がある。ロシアと太いパイプを持つ米石油大手、エクソンモービル会長兼最高経営責任者(CEO)のレックス・ティラーソンの起用を決めたことも「関係改善に向けたサインだ」とも言われる。

 そうなると、ロシアにとって日露関係強化の意味合いは薄れる。プーチンが「領土問題は存在しない」と断じるようになったのも無関係ではあるまい。

   × × ×

 「安倍、プーチンの関係は、森喜朗が首相だった頃とは大きく異なる。細い割り箸の上で首脳が会談しているようなものだ」
日露関係に詳しい外交筋はこう断じた。安倍、プーチンの信頼関係だけが頼みの綱となっており、外務省など事務レベルの積み上げがないという意味だ。

 そもそも日本の対露交渉は、日ソ共同宣言に署名した昭和31(1956)年以降、日本の内政事情に左右されてきた。

 平成13(2001)年3月、森とプーチンはイルクーツク声明を出し、日露交渉はようやく動き出したかに見えたが、翌月に森は首相退陣に追い込まれた。代わって首相となった小泉純一郎が、外相に起用した田中真紀子は「4島一括即時返還以外は認められない」と言い出し、それまでの10年以上も積み上げた交渉は水泡に帰した。

 その後、民主党政権の混乱などもあり、ロシアはすっかり態度を硬化させた。プーチンの「平和条約締結交渉は日本のせいで中断した」という指摘は残念ながら一理ある。

 第2次安倍政権となり、ようやく日露交渉は動き出したが、イルクーツク声明から15年。かつて築き上げた政界や官界のパイプはすっかり細ってしまった。

 プーチンは平成25(2013)年2月、森との会談で北方領土に関して「引き分け」という言葉を使い、「勝ち負けなしの解決だ。つまり双方受け入れ可能な解決だ」と解説した。さらに紙の上で柔道場のような四角を書き、端を指しながら「ここではプレーできない。真ん中の方でプレーを再開したい」と述べた。

 だが、領土問題に関する最近のプーチンの言動は「引き分け」から大きく後退しているように見える。

http://www.sankei.com/politics/news/161216/plt1612160009-n1.html




◆ウクライナからクリミアを取り上げロシアに編入したことでEUと米国がロシアに経済制裁を科し、安倍政権もそれに同調したことがプーチンの怒りが頂点に達したことは間違いありません。関係改善を本格的に行い歯舞、色丹ぐらいは返そうと思っていたところ、米国に盲従して経済制裁を行った安倍首相に裏切られたと思ったのです。

▼米露の狭間で大波に揉まれる日本、敗戦国の悲劇だニャ~

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プッチン・プリンのように甘い笑顔をふりまいた来日プーチン

素晴らしいコメントでした。
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