脱藩官僚・時代遅れの役所とメディアを斬る



◆霞が関では、同じ官僚でもピンからキリまであるようで、ピンのほう(できる人物)は内閣に登用され、仕事が終わると退官し、自力でサッサとシンクタンクや大学教授などに転身してメディアなどで活躍していますが、キリのほうは、独立する勇気も能力もないので必死に役所にしがみつくしかないのでしょう。

◆文科省の組織的天下り斡旋の元締めだった元文科省事務次官、前川喜平もそのキリに属する人物だったようです。本来なら首になってもおかしくないのに菅官房長官は前川の「どうか首にはしないでくださいという懇願に情けをかけたので、依願退職扱いになり退職金2千万円が支払われています。

◆菅官房長官は前川喜平が、事務次官の地位に恋々として一向に止めようとしないので依願退職の道を選ばせたと言っていました。しかし前川は文科省を追われた腹いせで、加計学園の理事長と安倍総理が親しい間柄であるから、獣医学部新設が決まった。獣医学部は作らせないという行政の方針が歪められたとメディアを抱き込んで、さも重大犯罪があったかのような騒ぎになり、安倍政権の支持率は一時30%台にまで落ちました。

◆この前川喜平について、脱藩官僚の皆さんが雑誌正論で座談会をやっています。同じ霞が関の高級官僚出身者ですが、前川喜平は「クズ」であると厳しい評価を下しています。




前川喜平氏を話し合ったら「クズ」でおさまらず、「彼の話は少し脇に」“絶滅系”の役所とメディアはどこか

 ※この記事は、月刊「正論2017年9月号」から転載しました。ご購入はこちらへ。

『言ってはいけない官僚の真実 OB座談会』

鼎談2


 --このたびはまず、加計学園の獣医学部新設問題をめぐって前川喜平・前文科事務次官が記者会見まで開いて「行政が歪められた」などと告発したことについて、評価できる点、できない点を議論していただければと思いますが…  

 宮家 では、若い人から順にご発言いただきましょう。 

 石川 それでは私から。前川前次官の行動について、政府内での政策決定について、水面下では激しいやり取りが行われていると国民の前に知らしめたこと自体は、評価していいかと思います。ただ、次官にまで上り詰めた方がなぜ公式な文書を出さずに“怪文書”に近いものだけを出してきたのか、このやり方は疑問です。表に出た、この場合は内閣府との間で了承の得られた文書を示して戦わなければ、説得力がありません。  

 岸 前川氏の言動に評価できる点など全くありません。今回の問題は、事務的な交渉で文科省が内閣府に負けただけのことです。それに不満があったのであれば、なぜ前川氏は事務次官として交渉決着のタイミングで声を上げて抵抗しなかったのか。辞めた後になって文科省内部のいいかげんな創作文書を元に騒ぐな、と強く申し上げたい。産経新聞のインタビューでも答えた通り、前川氏は官僚のクズだと思いますよ。

 高橋 前川氏が出てきたおかげで私は各方面からコメントを求められ、仕事が増えている、それは評価しますよ(笑)。ただ評価できない点は、前川氏は文科省の天下り問題では懲戒処分を受けている「天下りキング」です。組織ぐるみの天下りを受けて、文科省改革が行われようとしていた。前川氏は今回、それを阻止するために騒いでいるだけのことで、なぜそれにマスコミが飛びついたのか非常に疑問ですね。

 岸 本来、前川氏は天下り問題で懲戒免職になってしかるべき人です。実際、首相官邸の中でそうした議論もあったんですが、官邸は温情でクビにはしなかった。それが辞めた後で前川氏が「総理のご意向があった」などと騒いでいるのは、恩を仇で返したようなものです。人間として許しがたい話でしょう。 

崩れ始めた官僚の自治王国 


 宮家 お三方の前川氏批判に付け加えることはありません。ところで、これまで日本の官僚は、行政的な部分と政治的な部分を非常にうまく使い分けてきました。そうした観点から前川氏をみていると、彼の言動は「官僚独立自治王国」の裸の王様の断末魔といえます。

 戦後の官僚と政治の関係をみると、戦前からの政治家が公職追放されてしまって素人が当選してきた一方、役人はあまり公職追放されなかった。そのため戦後は情報力の面でも判断力でも、官僚の側の力が強かったのです。そして政治家も政治的な判断・決断を官僚に任せてしまった。そんなことがありながらも、官僚は身分保証があって守られているため政治責任は取らない。そういう理想的な官僚の自治王国ができたのです。それが壊れるきっかけが「内閣人事局」の発足でした。 
 
 高橋 私は天下り規制の法律制定に関わった他、第1次安倍政権のころに内閣人事局の企画にも関わったのですが、そのときは官僚で10人、民間で10人くらい、はぐれ者ばかりを集めたんです。そうでないと、役人の世界をぶっ壊すような内閣人事局は作れませんでしたから。

 石川 私も内閣人事局の企画のときにメンバーとして呼ばれたのですが、正確にいえばそれ以前から官僚の世界は大きく変わり始めていたと思います。旧大蔵省の接待汚職疑惑などもあって、21世紀に入った頃から優秀な人間は役所に来なくなっていた。その上で内閣人事局が3年前にできて、いよいよ各省庁は“政治主導人事”に従わざるを得なくなってきました。

宮家 これまで、役人が政治家の仕事を肩代りしていた部分が多分にあって、さすがに政治家もそれに気付いて「政治主導だ」という流れになってきた。そのトドメが内閣人事局です。これで、内閣人事局の上に立つ内閣官房長官が主な官僚の人事権を持つことになり、各省の事務次官に人事権がなくなってしまいました。

局長が事務次官の言うことを聞いたのは、事務次官に人事権があったからです。しかし官房長官に人事権が移ったら、事務次官は裸の王様になるしかない。そうなると官僚自治王国は消滅ないし沈没していくことになります。これまで各省庁は事務次官を頂点とする自治王国であって、一種の社会契約があって低賃金で深夜労働もあるけれども政治家に阿る必要はなく、民間の平均以上の生涯賃金が保証されるという暗黙の了解があったわけです。しかし、天下りができなくなり、事務次官に人事権がないとなれば、誰も言うことを聞かなくなります。優秀な人材の採用もままならなくなるでしょう。

 石川 いまや東大卒でも一線級の人材は起業を目指す。その次のグループが外資系のコンサルタント企業や投資銀行などに進み、さらに次の集団が大企業や役所へ…となっているのが実情です。
  
 高橋 有能な人材は、民間に進んで稼いでもらえばいいんです。内閣人事局を作ったときに、制度上は「出入り自由」にしたのです。公務員と民間との行き来はできるようになっている。それから政治任用の公務員と通常の公務員とを分けています。そのように、公務員制度は変わりつつあるのですが、そうした観点からみると前川氏は旧時代の遺物だと思いますよ。それを持てはやしているマスコミは、一体何なんでしょうね。

 岸 この過渡期に、世の中の進化についていけない一部のメディアが前川氏を持ち上げている。 

“絶滅系”の役所とメディアはどこか 

 高橋 この流れについて来られないのが文科省、というのは象徴的でしょう。だからある番組で、私は「文科省は三流省庁」だと言っちゃった。普通の役所なら、公務員制度が変わっている流れが分かるから、あんな変なことはしないわけです。 

 宮家 高橋さんたちは官民で人材が行き来できる「回転扉」を作ろうとされた。官から民へ移った人材の一部は、いずれ政策決定過程に取り戻さなければなりません。そのためには政治任用しかないわけで、この回転扉を作って公務員制度改革は完成させなければならなかったのです。ただ、まだその回転扉は出来ていないため、いい人材が官に入ってこないし、優秀な人材が辞めていってしまい、省庁の地盤沈下が進むけれども、省庁の権限は変わっていないという状況になってしまっています。 
 
 高橋 大臣補佐官などで政治任用は少しずつ始まっていますね。

 岸 公務員制度がようやく進化する段階に来ているのだと思います。

 宮家 進化する前に、絶滅してしまうかも知れませんが…。 
 
 高橋 絶滅する人は絶滅すればいいんです。経産省や財務省は少し先を行っているだけに、前川氏のような変な人は出てこないでしょう。


石川 少し前にNHKだったかと思いますが、インタビューで「石川さん、霞が関の反乱が起こるでしょ」と聞かれました。文科省の前川氏の元部下もさることながら、他の各省庁の若手官僚も蜂起すると思いませんか、と問われたので「そんなこと起きるわけがありません。文科省に乗るか、官邸に乗るかを問われたら、オール霞が関は官邸の側に乗るはずですよ」と答えたんです。そしたら、私のコメントは採用されなかったみたいです(笑)。  

 高橋 あちら側のメディアの人たちは、自分たちのおかしさに気がつかないんですよ。面白いことに今回の前川氏の問題をめぐっては、メディアも役所も「絶滅系」が騒いでいるんですね。
  
 岸 本当のところ、文科省内の官僚で良識のある人たちは、今回の騒動に困っていますよ。前川氏個人が、単なる私的なうらみで騒いでいるだけのことですから。

 そして冷静に見てみると、メディアの報道もハッキリ二つに分かれていますよね。朝日、毎日、NHKが前川氏の側に立ち、読売、産経などは反対側に立っている。これは一見して左右の対立のように見えるけれども、実は世の中の進化についてこられているか・いないかの違いではないかと思います。官僚制度も進化していますからね。 
 
 高橋 官僚制度には身分保障があり、そして官僚は確実に昇格します。そして給与保証がある。その三つの保証に少し手を付けたのが内閣人事局だけれども、劇的に変わったように思えてもよく考えてみれば降格もなければクビもない。ちょっと横に異動するくらいの話で民間の観点からすれば全然、大したことじゃないんです。これで「首相官邸に人事を握られて…」と騒ぐ人がいますが一体、何を騒ぐほどのことがあるのでしょうか。

 岸 内閣人事局ができる以前の官僚制度というのは、リスクがゼロでリターンが非常に大きかった。それがようやく21世紀になって環境が大きく変わったことで、古い制度が持続不可能になった、と考えるべきだと思います。 

メディアの神輿に乗った前川氏 

 石川 都議選ですが、メディアによる加計学園問題の報道も大きかった。前川氏は都議選での自民党の敗北に貢献したんですね。  

 岸 メディアにとっては、前川氏が出て来たことはラッキーでした。勧善懲悪の構図を作る上で、加計学園問題で安倍政権はいかがわしい、悪だといいながら、善がいなかった。そこに前川氏が現れたことで善玉に仕立て上げて、分かりやすい構図が完成したわけです。  

 宮家 ここで前川氏の問題点を挙げていけば際限がありませんが、彼の話は少し脇に置いて、日本の官僚組織の話をしますと、日本では明治政府ができて以降、福祉国家的なあり方と夜警国家的なあり方のどちらを求めるのかという問題がありました。

福祉国家路線を追求するとなると、国民生活のすべての面倒をみようとすべく、優秀な人材を大量に採用する必要がある。その流れもあってつい10年ほど前まで、優秀な人を採用するために先述のような一種の社会契約が成立していたわけです。しかし、それが破綻した。

あと2つ指摘したいのですが、高橋さんには悪いんだけれど、われわれ役人は「大蔵省主計局」という幻想を作ったんです。国会議員を説得するときに官僚は「先生のおっしゃる通りですが、主計局がうるさいんですよ」と、旧大蔵省主計局をスーパー官庁に仕立て上げていたんです。

大蔵省の隣には国税庁があって、国税庁は税務調査をかけられるから、誰も主計局には逆らえない、そういう幻想を作り上げて政治家に対する魔除けにしたのです。それから、官僚は族議員を養成することによって「毒をもって毒を制す」で他の議員を制して、官僚の自治王国を守ってきたのです。  


 ところが、スーパー官庁の幻想は「ノーパンしゃぶしゃぶ」の事件で吹き飛びましたし、族議員も雲散霧消してしまった。こうなると官僚の自治王国が風化していくのも当然といえます。  
 高橋 財務省の話はその通りで、私が旧大蔵省に入ったころは「われらは富士山」と、他省庁とは違うのだと習ったものでしたね。  


 宮家 問題は、今後どうするのかということです。政治がこの体たらくで、スタッフである官僚がこの状況で人材が入ってこない。日本にはしっかりした民間のシンクタンクも育っていません。なぜかといえば行政機関が日本唯一のシンクタンクだったからです。このままでは、日本はどうなってしまうのか。従来型の官僚や政治家以外のいったい誰が、政策の決定過程に入っていけるのかといえば、政治任用された新官僚しかいないでしょう。とはいえ、役人の世界を知らない民間人がポンと政治任用されたとしても、かなり厳しい。政治任用が機能するためには、官僚の自治王国がある程度、衰退する必要があるでしょう。

 高橋 私なんかは役所を辞めてから、霞が関に対抗するシンクタンクを作って、現実にいろいろな政党などと契約を結んで、ちゃんとビジネスになっています。役所を辞めた人もだんだん、天下りをしなくてもこうしたシンクタンクのビジネスができると気付いていき、役所頼りではない健全な状況が生まれてくると思います。 
 
 岸 役所と同じ問題が、民間にもあると思うんです。官僚制度は明治時代にできましたが、今につながる族議員の仕組みなどはおそらく田中角栄の時代、高度成長期にできてきたのだと思います。経済が右肩上がりで分配が楽な時代だったからこそ、政治家も官僚もいい思いができてきた、ただそれが通用しなくなってきたのが現状でしょう。考えてみると民間の側も同じで、終身雇用も高度成長期にできた偶然の仕組みにすぎないわけです。

今、働き方改革ということが言われていますが、事実上「終身雇用はもう無理だよね」ということです。だから兼業規制も緩和して転職もより自由に、と民間も変わり始めています。役所も、この動きに応じて変わっていく必要があります。
  
 内閣人事局も、まだ十分に機能しているとは言い難い。今の公務員制度は、政治任用が導入されながら終身雇用であるという、本来合わない組み合わせとなっていて、これが持続可能だとは思えません。  

 石川 実は現役の官僚たちに「どうやって生きているの」とよく聞かれるんです。私は一人シンクタンクをやっていますが、役所を辞めてどうやって食っていくのか、ということで私のライフモデルに興味があるんですね。

高橋 公務員制度改革の議論をした中で「公務員は10年の任期制で」と言ってしまったことがあるんです。それくらいでようやく、民間と対等になれると思います。 
 
 岸 民間企業でも、40代で一回退職させて、後は自助努力で、という動きはありますよね。 
 
 石川 これは提言ですが、公務員については2年分の給与を退職金として保証して、その代わり35歳ないし40歳でいったんクビにしたほうがいい。そうすれば覚悟ができるんです。いきなり来年からそうした制度を導入するのは無理ですから何年かの周知期間は必要ですが。

 宮家 なるほど。ところで高橋さんや石川さんが作ったシンクタンクは本来、きちんと組織化する必要があるように感じます。税制を優遇して、企業から寄付金も集まるようにして大規模に組織化しなければ。われわれが一匹狼でやっていたら、その人がいなくなったら終わりですから。 

官僚組織の何を壊すべきか 

 --もっとも「回転扉」を設けて官庁から人材が出たり入ったり、ということになると、国への忠誠心とかは大丈夫でしょうか  
 宮家 その心配はないでしょう。政治任用についてですが、大臣補佐官などを任命するだけではダメで、事務次官、そして局長を採らなければ。

高橋 海外では、次官の3分の1くらいは政治任用するのが通常なんです。日本でもそうするよう公務員制度改革の議論で主張しましたが、実現できませんでした。海外で「日本の次官は皆、生え抜きです」というとビックリされますよ。 
 
 宮家 先ほどの国家観とか忠誠心の問題ですが、外務省の官僚でも、入省して10年もすると国家という意識はあるんだけれど、まず「わが省」が念頭にあるわけですよ。私も27年在籍して「わが省」意識があったけれども、辞めた後は「わが国」のために仕事をしている。辞めたほうが国のことを考えるようになるんですね。
  
 石川 なぜならば、権限がなくなるからですよ。  

 宮家 そう。権限があると、それを守る必要がありますから。
  
 岸 これは実は当然のことで、役所の世界に限定される話ではありません。日本人も、日本に住んでいるうちはあまり愛国心がないかもしれませんが、海外に行った日本人で日本が大好きという人は大勢います。そこから外れると、かえって愛着がわいてくるんですね。  

 高橋 組織に属していないと何もできないと考えるのはサラリーマンですよ。私は転籍といって、内閣官房に移ったときに財務省の籍を完全になくして行ったんだけれど、私の経験からしても元の役所との関係が切れたほうが、しがらみもなく天下国家のことを考えられますよ。

 岸 このへんの感覚は、古巣を離れた経験がないと分からないかもしれませんね。
  
 宮家 日本という国はユナイテッド・ミニストリーズ・オブ・ジャパン、すなわち各省庁による連合政権であって、それを壊そう、という話です。
  
 岸 そういう意味では、前川氏は官僚組織の壊すべきところはどこか、を明確にしたという点では評価できるかもしれません。役所のビジネスモデルはどういうものかといえば「貸し借りを通じた自らの影響力の最大化」なんですよ。

役所というのは儲けは関係ありませんから、権限や予算を増やすことに集中するわけですが、そこで他省庁や業界との貸し借り関係を増やすことで自分の影響力の最大化を図っているのです。今回、獣医学部新設の話がなぜ問題になっているかといえば、文科省としては大学という業界と自分の貸し借り関係・影響力を最大化したかった。ですから実は大学設置審議会などは文科省の「結論ありき」で話が進められているのです。今回、文科省が騒いでいるのは自分たちの影響力最大化を妨害された恨みでもあるわけです。 
 
 高橋 ところで加計学園の問題であまり理解されていないことですが、文科省の告示があって、そこに獣医学部の新設は受け付けないと書いてあるんです。それを今回、国家戦略特区という仕組みを使って、新設を申請してもいいよ、と直しただけの話です。このレベルの話で、なぜすったもんだしているのか理解不能です。あんな告示を出していたこと自体がおかしい。

岸 自分たちの好き勝手に行政を歪めていたんです。その告示を基に、貸し借り関係の最大化を図り、天下り先を作ってきたといえるでしょう。
  
 宮家 まあそう言いますが、皆さんも文科省の役人だったら、そうしたんじゃないでしょうか。 
 
 岸 だからこそ、そういう仕組みを今後、どう変えていくかが問われているのだと思います。 
 
 宮家 官僚制度は変革の時期を迎えていますが、国の大事な政策を誰が誰と相談して決めていくかという意志決定過程が問われています。それを官僚任せにしてきた政治家も、だんだん小粒になってしまっている。なぜ細かな許認可の話などにとらわれて大局的な議論ができないのか。この問題を、前川氏は逆説的に世に問うてくれたわけで、国の重要政策の決定プロセスを考え直すいい機会とすべきだと思います。 
 
 石川 私は複数のビジネスに携わっていますが、民間事業もまた政府の中枢と同じで、ウソも方便、ハッタリが横行する世界で、ずる賢くないと生きていけません。文科省も本当に日本の教育行政を考えるのであれば、もう少しずる賢くなるべきでしょう。「内閣府に負けた」とか泣き言を言うのでなく、内閣府のバックにいる経産省をだますくらいのことはやらないとダメ。

岸 世の中全体として、古い仕組みが許容される時代ではありません。今回の獣医学部新設をめぐっては族議員もいろいろと絡んでいるわけですが、こうした族議員制度も変えられるか。メディアもまた、明らかに変な発言をする人をヒーロー扱いしてしまうような状況から脱却できるか。国民もまた、NHKや朝日新聞が描く勧善懲悪の構図に乗せられて都議選ではおかしな投票行動をしたりしましたが、そうした昭和的な価値観から考えを進化させられるか。前川氏の問題は、もろもろのプレイヤーが世の中の変化に適応できていけるかが問われている点で、面白い試金石になっているように思います。


 宮家邦彦氏 昭和28年、神奈川県出身。東京大学法学部卒。外務省で中東1課長、在中国大使館公使、中東アフリカ局参事官などを歴任し、第1次安倍内閣では首相公邸連絡調整官を務めた。立命館大学客員教授、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。


鼎談

 高橋洋一氏 昭和30年、東京都出身。東京大学理学部および経済学部卒業。大蔵省(現財務省)に入り、理財局資金企画室長、国土交通省国土計画局特別調整課長、経済財政担当相の補佐官や第1次安倍内閣での内閣参事官などを歴任した。嘉悦大学教授。

 岸博幸氏 昭和37年、東京都出身。一橋大学経済学部卒、米コロンビア大学大学院で経営学修士取得。通商産業省(現経済産業省)入省後、経済財政担当相、金融担当相などの政務秘書官を歴任した。慶応大学大学院メディアデザイン研究科教授。

 石川和男氏 昭和40年、福岡県生まれ。東京大学工学部卒。通商産業省(現経済産業省)に入り、資源エネルギー庁、中小企業庁、内閣官房などを歴任。退官後は政策研究大学院大学客員教授、東京財団上席研究員などを歴任した。社会保障経済研究所代表。 


※この記事は、月刊「正論2017年9月号」から転載しました。ご購入はこちらへ。

http://www.sankei.com/premium/news/170827/prm1708270012-n1.html

◆国会は親の七光りで当選した世襲政治家ばかり、役人は政治家の忖度ばかりで、彼らはこの日本をどう云う国にしたいのか、国際社会で日本の立ち位置をどこに置きたいのか、国民の幸福にどう寄与したいのかと云う、大局観がまるで感じられません。議員も役人も物凄く小ぶりになって、いますが、これからこの国はどうなっていくのだろうか心配している人は多いのではないでしょうか。

◆KYな失言議員やその場限りの忖度役人しかいないなら、正論をもって、ピンで活躍している脱藩官僚の能力を活用しない手はありません。

▼そう、優秀な人材は米国並みに、民間からどんどん政治任用すればいいんだがニャア!

ひげ猫

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目の付け所が違います。 官僚制度の在り方を探ると、この方々の議論は「正論」です。 元文科省次官の前川とか、汚職官僚を全員、斬り捨てる時代になりました。
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来るべき次元上昇まで、世界で起きる事象を俯瞰したり斜めから見たりしている爺です。

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