ただいま戻りました。



◆約一月に渡る休筆で読者の皆様には、大変ご心配おかけいたしましたが、お陰様で昨日やっと退院することができました。お休み中にも拘らず暖かいお見舞いのメッセージを残して下さった方々に心より感謝申し上げます。

ただいま

◆2月に血便が出るようになるまで何の自覚症状もありませんでしたが、念のためホームクリニックに内視鏡検査を頼んだ結果、明らかに大腸に悪性の腫瘍が確認できました。医師は念のために腸内の細胞を採取して検査機関に確認検査に出しましたが、その結果がでるまで15日。戻ってきた結果は間違いなく悪性腫瘍、つまり癌であるという答えでした。

◆主治医は早速総合病院で手術を受けるよう紹介状を書いてくれ、検査結果を同封した封筒を渡してくれました。私は翌日それを持って総合病院へ行き、それからCTスキャン、レントゲン、MRIなどいくつもの検査を受け、癌は肛門にに近い直腸に出来ていることが分かりました。開けて見なければ分からないが最悪の場合人工肛門になる可能性があるとのこと。それだけは何とか勘弁していただきたいと、担当医に泣きを入れると、何とか努力してみましょうという返事。かなりなショックでした。

◆癌にはいくつかの段階(ステージ)があります。胃カメラや内視鏡で検査するとポリープが発見させれることがありますが、それらは0~4までのステージがあると定義されています。

ステージ0 がん細胞が粘膜内に留まっており、リンパ節に転移していない。

ステージ1 がんの腫瘍が少し広がっているが筋肉の層までで留まっており、リンパ節に転移はしていない。

※この段階では、良性腫瘍と呼ばれ内視鏡のワイヤーで簡単に切除できますが、ステージ2以上になると開腹手術が必要になります。

ステージ2 リンパ節に転移はしていないが、筋肉の層を超えて浸潤している。または、がんは広がっていないがリンパ節に少し転移している。

ステージ3 がんの腫瘍が浸潤しており、リンパ節への転移が見られる。

※ステージ3までなら手術が可能です。しかし・・・

ステージ4 がんが離れた他の臓器へ転移している。

※こうなるともう手術は無理だとされ、残された治療法は抗癌剤と放射線治療以外の道はないと言われています。ステージ4の状態はがんの種類によっても異なりますが、癌が元の病巣からはなれて、遠くの臓器にまで転移した状態になり、元の病巣だけを切除しても予後の改善は期待できないので切除手術は難しいとされています。


◆私の場合かなり大きな悪性腫瘍が発見されましたが、幸いなんことに腫瘍はステージ3でしたので辛うじて手術が可能でした。
担当医は、手術の方法は二通りあり、従来の開腹手術と内視鏡による手術方法があり、どちらを選ぶかはあなた次第と二者択一を示されましたが、以前の胃癌手術による傷跡がみぞおちから臍まで、まだはっきりと残っている状態で更に臍から膀胱まで切開すればYKKのジッパーか、地図のローカル線みたいな傷跡が残るし、入院時間も長くなり、体力的に消耗しそうなので腹腔鏡による施術を選びました。ただしこれは目視ではなく手探りで行うわけですから、相当熟練した医師でないと命の危険が伴います。幸いこの病院にはかなり優秀な若手の医師がいて、私は彼に命を預けることにしました。


◆看護師に伴われ手術室に入りましたが全身麻酔が効き、その後のことは何も覚えていません。目が覚めるとICUに居ました。その翌日病棟へ移されましたが、その部屋は実に清潔で快適極まる個室でした。うすぼんやりした意識の中で看護師さんに「人工肛門ですか」と問うと「ご安心ください、人工肛門ではありませんよ」という返事。まさに天に先祖に、執刀医に大感謝の一瞬でした。

◆意識がはっきりすると自分が置かれている状況が分かってきます。左腕に点滴のチューブ、左わき腹に腸内に溜まった血と廃液を排出するドレーン、そして排尿袋等のチューブだらけで身動きもできない有様。腸内は完全に空っぽの状態なのに全く空腹を感じません。これはブドウ糖点滴のためですが、お陰で排便の必要は無くなるのです。これこそ文字通り「便利」というのではないでしょうか。人間の労苦のほとんどが飲み食いと排泄に費やされていることを考えると、人生とは実に不合理であり、不便極まりないもののように思えます。

◆子供のころ年寄りから聞いた言葉を思い出しました。「人間とは食うては出し、出しては食う、所詮5尺の糞袋。何ほどのことやあらん」という自虐的諦観です。昔の日本人は皆小柄でした。平均身長5尺、約150センチ程度でした。しかしトンスルを愛する朝鮮人と違って、日本人は徹底してプライドが高く糞を汚いものと、汚らわしいものと認識していたのでしょう。当時はそれをみんな面白がっていましたが、現代は「人権尊重最優先」の時代ですから、人間を「糞袋」などと表現するのはトンデモない暴言だと散々な目に会わされるかもしれませんね。


◆これまでの常識では手術後数日、或いは一週間程度の安静が必要とされていましたが、最近医療ではどうもそれは正しくないようです。
手術の翌日、気の毒なほど委縮した陰茎から尿管がいきなり見目麗しい看護師さんの手によって引き抜かれ、何とも言いようのない恥じらいを感じた束の間、体操のお兄さんのようなマッチョな青年が現れて「さあ起きてください、リハビリです」ときた!

◆冗談ではない、直腸を20センチも切り取って縫合したばかりではないか。体をよじらせてベッドから起きるなんてとても無理だと断るとリハビリマンいわく、「大丈夫、私が手伝いますから」と云う。問答無用で、体を横にして、ベッドの鉄柵に掴まって足を外へ出し、上体を起こそうと精一杯力を籠めると、腸が裂け、死ぬのではないかという程の激痛が走る。それでもリハビリマンは無理やり私を立たせるのだ。点滴のポールを持たせ、腸内からの廃液を出すドレーンを首から下げさせ歩けという。

◆「とにかく、ナース・ステーションまで行きましょう、そこで折り返します。今日のリハビリはそれだけです」
それだけだと簡単に言うが、立っているだけでも容易ではないのに20メートル以上あるナースステーションの往復となどとよく言うわ、この野郎!ムカついたものの反抗できず云われるままによろけながらなんとかノルマは果たしましたが、ベッドに横になるときもまたもの凄い激痛です。本当に縫合した腸が破れたのではないかという恐怖が走りました。

◆こうしたハードなリハビリは、患者が寝たきりにならないようにとの配慮から行われていているらしいのだが、それにしても苛酷過ぎやしないかい?

点滴歩行

※写真はイメージです。

◆しかし近頃の病院の看護システムには驚きの連続でした。昼夜2時間おきに点滴交換、朝5時過ぎ、まだ眠っているというのにいきなり採血、検温、血圧測定が始まり、8時前に担当医回診、おもゆが啜れるようになると、毎朝7時半に配膳、その後も看護師、准看護師さんたちが入れ替わり立ち代わり患者の様子を見回利にやってくる。彼女たちは一様に様々な看護用品とパソコンを載せたカートを押して回り、患者の病状、血圧、体温、便通、そして何の薬をどれだけ投与したかなどを克明に記録し、また患者の希望や要望をメモしていきます。

◆こうした患者個人の情報は病院全体のコンピュータに記録されるので、担当医や看護師が変わっても情報はすべて共有できるようになっています。これで重大な診療ミスを防ぐことができるというわけです。患者は24時間完全監視のもとに置かれ、まるで病院全体がAIで管理されているような気がしないでもありません。しかし、看護にあたって下さった先生や看護師さんたちには感謝してもしきれません。ハードボイルドのリハビリマンなど皆様のおかげで生還することができたのです。本当にありがとうございました。


◆まだまだ書き足りないような気がしますが、退院したばかりで体力に限界がきました。本日はこれまでにさせて頂きます。今後もぽつぽつと更新しようと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。

▼入院中はテレビばかり見ていたが、殆どが森友問題で、B層相手の安倍政権潰しプロパガンダばかりだったニャアwwww

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おかえりなさい

いつもですが拝見しておりますが、コメントさせていただくのはこれが初めてです。
私は外科医です。唖然歩さんの記載から状態は目に見えるようにわかりました。
大きな合併症なく退院されたことをホントに嬉しく思います。
ひとつ、術後のリハビリについて、誤解されているのか、主治医の説明不足なのかわかりませんが、コメントさせていただきます。術直後からリハビリを開始するのは、癒着による腸閉塞の予防と、食事摂取を早く開始するためです。寝たきり予防ではありません。
術後に、腹痛にまかせてベッドで安静にしていると、お腹の中の臓器、特に小腸や大腸が癒着を起こします。これは生理的な反応であり何も悪くないのですが、そのために臓器たちはまるで大量の接着剤で固められたように一塊になります。そうすると、自由に動けるはずの小腸が、あまり動かなくなり、食べたものがすむーずに流れていなかい、腸閉塞となるのです。それは癒着が完成してしまったらもう治せないのです。そのあと何度も腸閉塞に苦しむことになります‼医療者はそれがわかっているので、癒着が固まってしまう前にリハビリを開始して、出来るだけ余計な癒着を起こさせないようにリハビリを強いるのです。ですから、私も術前から患者さんに、『術後は、経過がよければスパルタです。』とお伝えしています。ただしリハビリ前に痛み止をあらかじめ使用しますが。
そしてもう1つ、早期リハビリ開始により、腹筋や背筋などを使うこで消化管も刺激されます。これにより麻痺していた消化管の蠕動が亢進し、ガスが排出され、食事を摂取しても大丈夫、となるのです。
現在ではこういう考えのもとに術直後からのリハビリが行われています。
少しでも唖然坊様の心が癒されればと思い長々と綴らせていただきました。

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天命のある人は死ねない。

意義のあるブログ記事を発信している限り、死ぬことはなく、健康はいずれ回復するので、安心されたし。

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No title

おかえりなさいませー。
ずっとお祈りしていましたー。
ここをご覧の方々は皆、同じ気持ちだったと思います。
アセッションまでがんばりましょうー☆
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来るべき次元上昇まで、世界で起きる事象を俯瞰したり斜めから見たりしている爺です。

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